上海纳博特斯克船舶机械有限公司

 成功案例     |      2018-11-07 17:32
船舶のリモコンを構成する30以上の部品を管理するため不可欠だった生産管理システムの導入
船舶机械业  上海纳博特斯克船舶机械有限公司


導入企業の概要

「うごかす、とめる」で暮らしを支える
ナブテスコグループ
 自動ドアから航空機、風力発電まで、身のまわりにある様々な精密機器の部品を製造しているナブテスコ株式会社。1944年に繊維機械の製造から始まった帝人製機株式会社と、1925年にブレーキ装置の製造から始まった株式会社ナブコが合併した、歴史ある巨大企業である。
 多岐に渡る事業の中で、今回ATOMS QUBEを導入したのは、船用機器を扱う「ナブテスコ舶用カンパニー」。近年、厳しさを増す環境規制にマッチさせるべく、技術革新が加速する船舶業界。そうした中、同社が注力しているのが、ディーゼルエンジンを低速で回転させつつ、燃料噴射の量や排気弁の開閉のタイミングを電子的に自在にコントロールすることで、燃料消費 量の削減を図る、電子制御システムの開発だ。 その技術の核となるのが、ナブテスコの電子制御高速油圧バルブ。燃料 噴射・排気弁を最適に制御することで燃費向上に貢献し、環境にも配慮する。その他にも、船舶の制御室から、遠隔でディーゼルエンジンや可変ピッチプロペラなどの操作を可能にする主推進機遠隔操縦装置(Bridge Maneuvering System 略称 BMS)など、数多くのシステムを手掛けている。

自動ドア

業務風景

導入の経緯


生産管理システムを視野に入れ
創設準備をしていた

 ナブテスコ舶用カンパニーの中国製造拠点として設立された上海納博特斯克船舶機械有限公司(通称SNMM)は準備期間を経て2014年1月より事業スタート。受注生産の主推進機遠隔操縦装置(BMS)と、電子制御高速油圧バルブを主力製品としている。設立当初から視野に入れていたのは、生産管理システムの導入だ。
 「BMSはひとつの機器に対して部品の数が30~50と非常に多く、手作業では間違いが起こり得ます。問題を起こさないためにも、生産管理システムの導入を前提に計画を進めていました」そう話すのはSNMM副総経理の劉氏。当初から危機管理意識を強く持ち計画していたことが伺えるエピソードだ。システムの選定について、上海納博特斯克管理有限公司の前田氏は次のように話す。「ATOMS QUBEを含む3社のシステムを比較した結果、クラウド型で費用も抑えられ、受注生産、計画生産ともに利用できる点を評価し、導入を決めました」

電子制御高速油圧バルブ

導入後の成果


品目管理だけでなく、財務状況の把握にも有用

 導入して良かった点について、SNMM生産管理課長の周氏は次のように話す。「BMSは受注型生産であるため、顧客の要求によって物、型、構成品がすべて違います。数多くの品目を管理するのに、エクセルではなく、システムを入れることによって間違いもおこらず、一目で状況を把握できるところがとても便利です」(周氏)「財務の数字を合わせるのにも役立っています。原価管理もしやすく、利益が出ているかの状況把握が容易なので月末の財務報告作成がスピーディです。ATOMS QUBEによって日本側へ毎日情報が送られているため、日本側と会議をする際も、その都度資料を作成する手間が省けます。非常に話が早いですね」(劉氏)

上海納博特斯克船舶機械有限公司 副総経理 劉偉 様(左)
上海納博特斯克船舶機械有限公司 生産管理課長 周天来 様(右)

Web会議風景
ナブテスコ株式会社舶用カンパニー 生産管理課 久保勝彦 様

日本・中国・韓国と3拠点のデータをすばやく集約し
判断材料を揃えることで上がる計画精度


 現在日本側のナブテスコ舶用カンパニーでは、グローバル案件管理システムを稼働させている。その点について、同社西神工場生産管理課の久保氏に話を伺った。「日本、中国、韓国と3拠点で船用部品を製造しているのですが、以前は中国、韓国における案件の進捗状況が日本側で全く見ることができませんでした。そこで、中国で使っているATOMS QUBEに入力した生産データを日本側の案件管理システムに紐づけることによって、各拠点の生産データが事務所で確認できるようになりました」(久保氏)
 同社が手掛けているのは、一隻製造するのに平均して2年の製造期間を要する大型船。「私たちは、このような船を造るという計画段階から案件として捉えています。まず初めに、受注ができそうかどうか、船を造る予定の中に弊社が参入できそうかどうか、それらを全て管理しており、受注できた後に製造、出荷、アフターフォローまで見ることができる案件管理はとても重要です」(前田氏)長期に渡る案件の把握をするには、3拠点をまとめて見ることができるシステムの導入は絶対条件だろう。「データの集約が早くできることによって、3拠点の売り上げの計画もしやすく、さらに先々の財務面のメンテナンスもできます。リアルタイムに判断材料が揃うことによって計画制度も上がり、リードタイムも短縮されたと感じます」(久保氏)
 導入に際しては苦労もあったと言う。「全く違うシステムの連携をするにあたり、各項目の定義を詰めていく部分に想像以上に時間がかかってしまいました」(周氏)「SNMMは元々エクセルで案件を管理していましたが、エクセルは使い勝手も良く、何より扱い慣れているため、新たなシステムを入れることに難色を示す者もいました。それでも3拠点で効率よく“見える化”を進めるために、新たなシステムの導入が不可欠だということを理解してもらい、導入することができました」(久保氏)

システム概要

今後の展開


現状で満足せず、判断スピードと計画精度を
さらに上げるべく新たな機能の追加を希望

 システムはうまく稼動しているので、今後さらに便利に、ヒューマンエラーをなくすための新たな機能を入れたいと、SNMM副総経理の劉氏は話す。「現在は、注文を受けた後、手動で案件情報を入力しているのですが、自動で入力できるようになるとさらに良いですね。また、数多くの部品を管理しているため、構成される部品の一部が欠けていることがまれにあります。製造を開始する直前に欠品が発覚すると、製造が遅れる事態にもなりかねませんので、2~3日に一度は部品がそろっているかをチェックしていますが、欠品が出る前にアラートが出るともっと便利ですね。早くに察知することができれば、別のルートで仕入れをして間に合わせることも可能です。今は唐突な問題にも対応できるように、生産開始から逆算して1か月前には部品がそろうように準備をしていますが、アラートが出れば、さらにリードタイムが縮まります」(劉氏)
 同様の要望は多いため、ATOMS QUBE側は現在アドオン(拡張機能)で対応しているが、今後は標準で組み込む予定だ。中国ではATOMS QUBEを導入しシステム管理が進んでいるものの、韓国はエクセルで手入力をしているためシステム化できていないという。そのため、現在は韓国の生産状況、在庫状況をリアルタイムで見ることができない。今後中国と韓国を一元管理することによって、双方で受注の状況の確認や、不足している資源の補填などもスムーズに行うことができるので検討したいという。
 ATOMS QUBEを導入し、中国での生産管理、日本との連携ともにスムーズになりスピーディな生産を実現している同社。問題を未然に防ぐために様々なシステムの対応力は、今後もビジネスの展開に寄与していくだろう。


左から
高律科(上海)信息系統有限公司 呉立軍
上海納博特斯克船舶機械有限公司 生産管理課長 周天来 様
上海納博特斯克船舶機械有限公司 副総経理 劉偉 様
高律科(上海)信息系統有限公司 古田信明

お客様のプロフィール



上海纳博特斯克船舶机械有限公司的URL:http://marine.nabtesco.com/index.html